こんにちは。
今日は美少年、美少女がこれでもか、というくらい載っているこの書籍、『絵師100人 generation2』の印刷について、担当編集のFがお伝えします。
画面で見ていた色と印刷後の色のギャップ。
印刷物を作ったことがある方なら誰でも一度はこのギャップに悩んだことがあるかと思います。私も『絵師100人 generation2』の制作当初、作品本来の色の美しさを印刷で表現するにはどうしたらいいのだろう、100人の手で描かれたすべての作品に応える方法はないだろうかと考えていました。
そんなとき、ふと思い出したのです。
以前廣済堂印刷の方から聞いたイラスト用インキのことを。
詳しく聞いてみるとこのインキは「NS画集用インキM」というもので、CMYKでもRGBのような発色で印刷できるように開発されたものだということ。
さらに、画像変換時にはこのインキに合わせた独自のカラーマネジメントを行っているとのことでした。そこで通常のプロセスインキとNS画集用インキMの2種類で色校をとってみました。すると……
※左がプロセスインキ。右がNS画集用インキM。
※色だま。上段がNS画集用インキM。
※用紙も複数種類で色校正をとっています。上段がプロセスインキ。下段がNS画集用インキM。コチラはクリックで拡大可能です。
色の深みと鮮やかさが違うのがわかるでしょうか。光の加減もあるのでなかなか難しいかもしれませんが。
しかし、予想以上の発色のよさ!
デザイナーの有馬さんと色校を見ながら「これで決まりでしょう!」とほぼ即決で、NS画集用インキMを起用することを決めました。
NS画集用インキM(このインキと独自のカラーマネジメント技術をあわせて「ブリリアントパレット®」というそうです)は、オレンジ~赤~ピンク~群青~緑といった色域の幅を向上させ、これまでの4色印刷にはない美しい色調と透明感や立体感の際立つ感性に富んだ印刷が特徴なのだそう。
具体的には、肌色がきれいに出る、背景の空などの青みも深みが出る、ころびやすい緑・紫色などの発色もクリアにできるといったところでしょうか。確かに青系のグラデーションもキレイ! すごい!!
これまでだと、キャラクターの肌の色などをより美しく、くすみなく表現するのに、CMYKの4色に特色インクの蛍光ピンクを加え、5色で印刷していました。それがNS画集用インキMだと4色ですみます。 ただし、カラーマネジメントの技術が必要ですが。
でも『絵師100人 generation2』では、最初に思い描いていた作品本来の色彩の美しさを再現できたのではないかと思います。ぜひ、お手に取ってご覧いただければ幸いです。
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