森の中でコンピュータ
5月31日、恵比寿のamuにてBNN CAMP vol.7「vvvvワークショップ」を開催しました。
まだまだユーザー数の少ないvvvvですから集客がいささか心配だったため、定員8名と少なめの設定にしたのですが、順調にお申し込みをいただき、結果、参加者9名での開催となりました。
講師は、日本で初めて出版されたvvvvの書籍『vvvvook』の著者の一人であるGKテックの伊東 実さん。そしてゲスト講師として、『vvvvook』でもインタビューさせていただいた新進気鋭の映像作家にしてvvvvウィザード 中田拓馬さんをお迎えしました。
『vvvvook』(撮影:水野聖二)
WIREDでの中田さんインタビュー記事 - http://wired.jp/2013/11/14/takuma-nakata-hp/
ちなみに世界で初めて出版されたvvvvの本は、ドイツのデザイン/視覚芸術系の出版社Hermann Schmidtから出ている『Ptototyping Interfaces』。ハーマン・シュミットはProcessingの本『Generative Gestaltung』も出している出版社。ともに大判、ハードカバー、約400ページと鈍器のような本。コンピュータ書ではなくデザイン系の版元から出ているのが興味深いですね。
『Prototyping Interfaces』 - http://prototypinginterfaces.com/
というわけでワークショップスタート! まずはみんなで自己紹介。『Beyond Interaction』著者の田所 淳さんも参加してくれていました。
イントロダクション編へ。伊東さんが携わった仕事や、vvvvで作られた作品を紹介していただきました。伊東さんが所属するGKテックは、日本科学未来館のGeo-Cosmos(ジオ・コスモス)、触れる地球などインタラクティブな展示を手掛ける老舗の会社。
vvvvのみで映像生成しているという作品、『Ravel Landscapes – Live Excerpts』。美しいです。
Ravel Landscapes – Live Excerpts from Natan Sinigaglia on Vimeo.
実は伊東さんはvvvvでBVHファイルを読み込むプラグインを開発してたりもします。これでPerfumeのモーションキャプチャデータも読み込み可能に。
BVH (Skeleton BVH) - http://vvvv.org/contribution/bvh-(skeleton-bvh)
と、ここで重要情報。vvvvの次世代バージョンはマルチプラットフォーム対応が実現するかもしれないとのこと。Macで使えるようになれば、さらにユーザーも増えることでしょう。超期待です。
そしてBasic編へ。vvvvの基礎を手を動かしながら学んでいきます。
グラフィック生成の初歩を学んだところで前半終了。10分休憩を挟みます。
続いて後半戦。冒頭は中田さんによるデモからスタート。Leap Motion、そして脳波をセンシングするデバイスを使った作品を披露していただきました。そして当然その裏にはvvvvが動いています。
「複雑に見えるかもしれませんが、これらは概ね全て、今日の前半のBasic編で習ったことの組み合わせです」という心強い言葉を掛けてくれました。
ワークショップ再開。エドワード・マイブリッジによる疾走する馬の連続写真を題材に、vvvvでアニメーションを作るコツを紹介したらすぐに実践。そしてちょっと駆け足で音との同期、カメラから入力した映像へのエフェクト、ARなどを体験します。徐々にパッチも複雑に……
さまざまなインタラクションをパッチングして、後半も終了。本当は最後にみんなのマシンを繋げて巨大な映像作りをすることも想定していたのですが、時間が足りず。。
最後に、vvvvとは関係ないですが「ラピッドプロトタイピング」の精神を体現している方として、風船を使って宇宙の撮影をしている岩谷圭介さんのお話を紹介していただきました。岩谷さんは最初、100円ショップやホームセンターで材料を揃えて始め、自力でなんでも調べて、試行錯誤を繰り返し、ついには一個人で初めて風船による宇宙撮影に成功します。大規模な設備がなくとも、個人の力で、宇宙を撮影するという夢のようなことを実現するのです。
「こういうことをやってみたい」という気持ちがあれば、自身で作ってみて、何度も失敗しても、それでもちょっとずつ精度を高めていく。その繰り返しの果てに宇宙まで行ける。非常にグッとくる話です。
冒頭にも書きましたがまだまだ少ないvvvvユーザー。こうして集まったんだからみんな仲間。ということで、集合写真を撮りました。oFハンドサインをまねてvvvvハンドサイン! その場のノリでやったので形は定まっていません。。
おつかれさまでした!
日本のvvvvのコミュニティはまだ生まれたばかりですが、ProcessingやoFやPdなどなどとも連携して、日本のこのシーンを一緒に盛り上げていけたらいいなと思っています。今後も少しずつこうした場を作ってゆきますので、次回のBNN CAMPもお楽しみに!
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