商品開発・サービスに革新を巻き起こす、顧客目線のビジネス戦略
サービス・デザインとは、ビジネスを顧客の視点から体系的に編成する取り組みです。そしてその目的は、企業と顧客が出会うあらゆる局面において、快適なカスタマー・エクスペリエンス(顧客経験価値。商品やサービスを購入したり使用したりする経験によって得られる感覚的、感情的な付加価値)を提供することにあります。あらゆる品質がすぐに世界共通となりうる現在、企業名で差異化をはかることは、もはやできません。こうした中でライバルより一歩抜きん出るためのカギとして、サービス・デザインをできるだけ分かりやすく紹介するために、多種多様なツールやメソッドを詳しく紹介はしませんが、この分野の入り口とも言える、顧客があなたの製品やサービスについて実はどう考えているのかを理解するプロセスを扱います。この「発見」のプロセスを、自身の仕事などに当てはめて見つめ直してみれば、どこかに改善できる部分が見つかるでしょう。
ISBN:978-4-86100-997-6
定価:1,600円+税
仕様:A5判/120ページ
発売日:2015年10月22日
著者:J・マルゴス・クラール
訳者:郷司陽子
監修:長谷川敦士
目次
日本語版刊行によせて(長谷川敦士)
コンテンツ・マップ
目次
なぜ(why)?
サービス・デザインとは何か
◎情報を提供する>期待に応じる
製品からサービスへ
なぜこのプロセスをデザインと呼ぶのか?
理解のしやすさ(アンダースタンダビリティ)
それはなぜか?
使いやすさ(ユーザビリティ)
個別性
外観の美しさ
◎形態は機能に従う
本書に書かれていること
サービス・デザイン第一のルール
課題への取り組み方と意欲
要求は決して「もの」ではない
顧客の立場で旅をする
ロードショーに行く
このカスタマー・ジャーニーで好ましくないのはどこか?
個々のカスタマー・グループはそれぞれ異なる視点を持つため、報告される問題もおそらく違う
ペルソナ
共感マップ
共通点と相違点
オムニチャネルの世界で
顧客は何を感じるか?
情報の視覚化、非線形(ノンリニア)の構成法
◎苦情
仮説の検証
人と話す
◎スーパーマーケット
量的データと質的データの違い
◎微弱信号/少数派
対話法
1対1のインタビュー
グループ・ディスカッション
ワークショップ
洞察に基づくデータ・マイニング
◎ワークショップのハウツー
観察法
◎近道を通りたがる習性
◎家族連れは速くてシンプルが好き
顧客接点(タッチポイント)
事業者と顧客が出会う地点
行動の意味
◎顧客との関係性の意味
顧客接点(タッチポイント)と行動
ブランドのチャネルを離れて
2つのパーフェクト・ストーム(究極の嵐)
顧客接点(タッチポイント)マトリクスを作成する
外側のプロセスと内側のプロセスの違い
反復型プロセス
責任者は誰か?
参加するべき人物は? すべてのステークホルダー(利害関係者)
複雑さ
シンプルさとは意志決定のこと
◎豊富な選択肢は購買行動を促進するか?
信念を浸透させる
顧客に目を向けるために
訪問インタビュー:ノキア(Nokia)社の凋落
なぜこの記事をここに掲載したか?
人を知ること
デザイン・プロセスにおける役割
これははじまりにすぎません
◎組織の意識の改革
ツール
リサーチ用のツール
カスタマー・ジャーニー
顧客との対話法
顧客との観察法
ステークホルダー(利害関係者)への文脈的インタビュー
ステークホルダーの観察法
詳細なリサーチ用のツール
ア・デイ・イン・ザ・ライフ(ある1日)
ベスト・イン・クラス(同クラス最高)・ベンチマーキング
ペルソナ
顧客とのワークショップ
シナリオ/顧客参加型のプロトタイプ評価
開発用のツール
アジャイル/リーン方式
サービス・ブループリント(サービスの青写真)
解説(大崎 優)
著者紹介
これからのマーケティングに役立つ、
サービス・デザイン入門
商品開発・サービスに革新を巻き起こす、顧客目線のビジネス戦略
発売日:2015年10月22日
著者:J・マルゴス・クラール
訳者:郷司陽子
監修:長谷川敦士
J・マルゴス・クラール(J.Margus Klaar)は、1992年から広告マーケティング業界でキャリアを重ねてきました。しかし年月を経るうちに、彼は平均的な製品の見栄えを整えるばかりの仕事に疑問を抱きはじめます。メディアや技術が絶えず変化し続けるこの世の中では、もはや外観の良さだけでは通用しないというのが、彼の実感でした。顧客ロイヤルティを獲得するためには、製品やサービスの中身を磨かなければなりません。
2009年、彼は3人のパートナーと共にサービス・デザインとブランディングのコンサルタント会社、ブランド・マニュアル(Brand Manual)社を創設しました。以来、同社はサービス・デザインのパイオニアとして、数多くのブランドや企業の活動を徹底的に見直し、その改善に貢献しています。製品やサービスの見た目だけでなく、中身をより良いものにすることが、彼らの目標です。
本書執筆時の著者の年齢は43歳。家族と共に、スウェーデンのストックホルムで暮らしています。