DESIGN COMPUTING CRAFT

【トークイベント】『SPECULATIONS 人間中心主義のデザインをこえて』刊行記念トークイベント Vol.01
「いま、わたしたちはなにをデザインすべきか?──未知数の問題〈デザインX〉とポスト人間中心主義のデザイン、あるいは思索〈スペキュレーション〉」川崎和也、久保田晃弘、豊田啓介

ビー・エヌ・エヌ新社では、2019年7月『SPECULATIONS 人間中心主義のデザインをこえて』を刊行いたしました。

本書は、ますます複雑化する社会におけるデザインの可能性を探る「デザイン書」です。しかし、一見すると何の本かわかりにくい方も多くいるでしょう。

そこで第01回となる本イベントでは、著者である川崎和也さん、そしてデザイン領域のパイオニアである久保田晃弘さん、豊田啓介さんをお迎えして、本書をときほぐしながらデザインの現在→未来を考えるための足がかりを探ります。

複雑化する社会と技術状況に呼応して、新たなデザイン思想を開拓しようとする試みが、近年「デザインリサーチ」という分野で勃興しつつあります。とりわけ、機械学習や深層学習、デジタルファブリケーションなどの「デジタルテクノロジー」と、合成生物学やバイオハッキングなどの「バイオテクノロジー」の革新がもたらす倫理的問題は、従来の人間中心主義に基づくデザインを超克する重要な要因として関心を集めています。

グローバル・データ資本主義の加速度的な発展や深刻化する自然環境問題などを背景に、ますます不確実性を増してゆくデザイン対象──未知数の問題〈デザインX〉に対して、これからのデザイナーにはどのような役割が求められるのでしょうか?

本書でインタビューを敢行したMoMAシニアキュレータのパオラ・アントネッリは次のように述べています。

人類の絶滅は避けられないと思います。もはや、絶滅するかしないかではなく、どのように絶滅するかが問題です。(-略-)わたしたちは、人類が絶滅したあとに地球を支配するであろう「次の優れた種」が人間にほんの少しでも敬意を抱くように未来を形づくる必要があります。賢くはないにしても、少なくとも威厳があり、思いやりがある存在として尊敬を得るために。
(『SPECULATIONS 人間中心主義のデザインをこえて』掲載のインタビューより) 

こうした惑星規模のさしせまった問題を抱える「壊れてしまったいま・ここの世界〈Broken World〉」に対して、これからデザインは「未来あるいは別の現在の可能性〈Alternative Presents / Futures〉」を提示することができるでしょうか?

デザインのオルタナティブな可能性を示すため編纂された『SPECULATIONS 人間中心主義のデザインをこえて』の刊行記念イベント第一弾である本企画では、2名のデザイン領域のパイオニアをおよびして、本書を片手に未来のデザインについて思索を繰り広げていきます。

まずは、『バイオアート』や『スペキュラティヴ・デザイン』の監訳も務め、これまで国内外のアート&デザインの新領域を導入/開拓してきた多摩美術大学教授の久保田晃弘さん。もうひとかたは、デジタルテクノロジーを活用した建築設計を専門とするNoizを率い、建築情報学の推進を目指す豊田啓介さんです。さらに、あらためて本書が描く新しいデザインのかたちを、監修・代表編著者の川崎和也さんが詳しく解説していきます。

 

 【詳細】
・日時:2019年9月1日(日) 20:00〜21:30(開場 19:30)
・場所:loftwork COOOP10(東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア 10F)
・参加費:1000円+ワンドリンクオーダー制
・定員:60人
・主催:ビー・エヌ・エヌ新社
 協力:BioClub
・お申し込み:以下のPeatixイベントページをご確認ください。
https://speculation01.peatix.com/

【プログラム】
19:30 開場
20:00-20:20(20分):川崎和也さんによる導入、書籍紹介
20:20-21:20(1時間):久保田晃弘さん、豊田啓介さんを交えたトーク
21:30-21:30(10分):質疑応答

【出演者プロフィール】
久保田晃弘(くぼた・あきひろ)
1960年生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース教授/アートアーカイヴセンター所長。東京大学大学院工学系研究科船舶工学専攻博士課程修了、工学博士。芸術衛星1号機の「ARTSAT1:INVADER」でアルス・エレクトロニカ2015ハイブリッド・アート部門優秀賞をチーム受賞。「ARTSATプロジェクト」の成果に対して、第66回芸術選奨の文部科学大臣賞(メディア芸術部門)を受賞。近著に「遙かなる他者のためのデザインー久保田晃弘の思索と実装」(ビー・エヌ・エヌ新社、2017)「メディア・アート原論」(フィルムアート社、共編著、2018)「インスタグラムと現代視覚文化論」(ビー・エヌ・エヌ新社、共訳編著、2018)「ニュー・ダーク・エイジ」(NTT出版、監訳、2018)「世界チャンピオンの紙飛行機ブック」(オライリージャパン、監訳、2019)などがある。

豊田啓介(とよだ・けいすけ)
建築家。東京大学工学部建築学科卒業。1996-2000年安藤忠雄建築研究所。2002年コロンビア大学建築学部修士課程修了(AAD)。2002-2006年SHoP Architects(New York)。2007年より東京と台北をベースに、蔡佳萱と共同でnoizを主宰(2016年より酒井康介もパートナー)。建築を軸にデジタル技術を応用したデザイン、インスタレーション、コンサルティングなどを国内外で行う。2017年より建築・都市文脈でのテクノロジーベースのコンサルティングプラットフォームgluonを金田充弘、黒田哲二と共同主宰。東京藝術大学芸術情報センター非常勤講師、慶応大学SFC環境情報学部非常勤講師、情報科学芸術大学院大学 IAMAS非常勤講師。 EXPO OSAKA/KANSAI 2025 招致会場計画アドバイザーほか noizarchitects.com gluon.tokyo

川崎和也(かわさき・かずや)
スペキュラティヴ・ファッションデザイナー/デザインリサーチャー/Synflux主宰。1991年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科エクスデザインプログラム修士課程修了(デザイン)、現在同後期博士課程。バイオマテリアルの可能性を模索する「Biological Tailor-Made」、機械学習のアルゴリズムとの共創を目指す「Algorithmic Couture」など、ファッションが持つ未来志向・思索的な創造性を探求する実践を行う。主な受賞に、H&M財団グローバルチェンジアワード特別賞、文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会推薦作品選出、STARTS PRIZE、Wired Creative Hack Award、YouFab Global Creative Awardなど。オランダ・ダッチデザインウィーク/南アフリカ・デザインインダバ招待作家。編著書に『SPECULATIONS 人間中心主義のデザインをこえて』(ビー・エヌ・エヌ新社、2019)がある。