市谷聡啓(いちたに としひろ)
プログラマーとしてキャリアを始め、SIerでのマネジメントや大規模インターネットサービスの運営を経て独立。20年以上にわたり現場と組織の両面からアジャイルを実践し、「正しいものを正しくつくる」あり方を探究してきた。個人や組織の力を結び合わせ、変化を現実にしていく「芯」を見出すことに熱意を注ぎ、越境を続けている。著書に『カイゼン・ジャーニー』『正しいものを正しくつくる』『組織を芯からアジャイルにする』がある。
作る、試す、正す。
アジャイルなモノづくりのための全体戦略
Description
プロダクトづくりのデッドエンドを乗り越える──
そして「プロダクトづくり」は「システムづくり」へ。
本書は、従来のプロダクトづくりが直面する「デッドエンド(行き詰まり)」をいかに乗り越えるか、その全体戦略を描き出した一冊です。
本書が提唱するのは、視点を「プロダクト」から、モノ・コト・ヒト・トキが絡み合い生成する「システム」へと転換すること。そして、「正しさ」を探すのではなく、「正しくなる状況」をつくる営みへとモノづくりを移行すること。その営みの芯に位置付けられるのが「アジャイル」です。
ソフトウェア開発から組織変革までを貫く、20年来のアジャイル実践知がここにあります。不確実性に挑み、「価値」のみならず「意味」あるモノを作ろうとするエンジニア、プロダクトマネージャー、事業開発担当者にとって、必携の手引きとなるでしょう。
ISBN:978-4-8025-1329-6
定価:本体2,800円+税
仕様:A5判/368ページ
発売日:2025年10月29日
著者:市谷聡啓
デザイン:駒井和彬(こまゐ図考室)
Profile
Contents
第1章 「ソフトウェアづくり」をアジャイルにする:仮説キャンバスで「期待」を捉える
1-1 ソフトウェアづくりを間違う理由
1-2 仮説キャンバスで「期待」を捉える
1-3 作る、試す、正す
第2章 「ソフトウェア」から「プロダクト」へ:仮説キャンバスで「価値」を捉える
2-1 解くべき「問題」が存在しない
2-2 仮説キャンバスで「価値」を捉える
2-3 仮説検証型アジャイル開発によるプロダクトづくり
第3章 「正しい」を探すのではなく、「正しくなる状況」をつくる:仮説展開ストーリーで「変化」を捉える
3-1 行き詰まる「プロダクトづくり」
3-2 「システム」の仮説を立てる
3-3 「システム」の仮説検証
第4章 システムをシステムでつくる:From-Toキャンバスでチームに「アジャイル」を宿す
4-1 最も小さな動くシステム(MVS)
4-2 「プロダクトチーム」から「システムチーム」へ
4-3 中間的生成的組織
第5章 アジャイルなシステムをアジャイルにつくる:「作るモノ」と「モノづくり」の一体化へ
5-1 システムをアジャイルにつくる
5-2 システムをアジャイルにする
5-3 システムに「内包」されたモノづくり